まだ知らぬ、日本を訪ねて

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令和5年5月 鉄道博物館訪問

鉄道博物館  撮影:2023.05.28

 令和5年5月、JR東日本のスタンプラリーで大宮駅に寄った際、ついでに鉄道博物館にも訪ねてみました。鉄道博物館は久しぶりの訪問。南館が増設されてからは初めての訪問で、楽しめました。

鉄道博物館

 鉄道博物館は、平成19年(2007)に開館した、館名の通り、鉄道の博物館です。元々は東京の旧万世橋駅の敷地にあった交通博物館がありましたが、手狭になり、老朽化も進行し、バリアフリーにも対応していなかったことから閉館。JR東日本が後継施設として大宮に新しい鉄道博物館を整備しました。館内には様々な年代の鉄道車両などが展示されており、鉄道好きにも歴史好きにも非常に興味深い内容となっています。

150形蒸気機関車

 150形蒸気機関車は、明治4年(1871)に英国で製造され、国内初の鉄道開業に合わせて輸入された蒸気機関車の一つです。一番最初に到着した機関車であったことから、「1号機関車」とも呼ばれており、国の重要文化財に指定されています。

鉄道博物館 150形蒸気機関車(150)  撮影:2023.05.28
7100形蒸気機関車

 7100形蒸気機関車は、明治13年(1880)に米国で製造され、北海道初の鉄道である官営幌内鉄道の開業に合わせて輸入された蒸気機関車ですか。一般的には弁慶号の名称として有名な機関車で、アメリカンスタイルが印象的な蒸気機関車です。

鉄道博物館 7100形蒸気機関車(7101)  撮影:2023.05.28
1290形蒸気機関車

 1290形蒸気機関車は、明治6年(1873)及び14年(1881)に英国で製造され、鉄道建設工事用として輸入された蒸気機関車です。鉄道博物館に保存されているのは、明治14年製で、日本初の私鉄である日本鉄道の1号機関車となります。

鉄道博物館 1290形蒸気機関車(1292)  撮影:2023.05.28
C51形蒸気機関車

 C51形蒸気機関車は、鉄道院が大正8年(1919)に設計、開発した蒸気機関車です。登場時から15年間、狭軌世界最大の動輪(1750mm)を持つ機関車であり、特急燕の牽引機としても有名な機関車となります。設計当時、広軌改築の夢が潰えた設計陣が狭軌での性能向上を図った機関車で、その性能から「狭軌でもこんな立派な機関車ができるのなら、何も広軌にする必要はない」と言わしめた機関車です。

鉄道博物館 C51形蒸気機関車(C51 5)  撮影:2023.05.28
C57形蒸気機関車

 C57形蒸気機関車は、亜幹線級用の主力旅客用蒸気機関車として製造されていたC55形蒸気機関車昭和12年(1937)に設計変更の上、新形式とした国鉄最後のライト・パシフィックの蒸気機関車です。その流麗な外観から「貴婦人」の愛称が付けられています。

鉄道博物館 C57形蒸気機関車(C57 135)  撮影:2023.05.28
EF55形電気機関車

 EF55形電気機関車は、昭和11年(1936)に製造された電気機関車です。流線形の車体が特徴的な機関車で、設計当時に流行していた流線形ブームが影響しています。通常の電気機関車とは異なり方向転換する必要があることや、保守性の悪さから、使い勝手はあまり良くなかったようです。昭和39年(1964)に一度引退しましたが、鉄道ファンからの人気から昭和61年(1986)に復活し、平成21(2009)までイベント列車を牽引していきました。

鉄道博物館 EF55形電気機関車(EF55 1)  撮影:2023.05.28
クモハ40形電車

 クモハ40形電車は、鉄道省昭和11年(1936)に製造した旧形電車です。それまでは木製の車体を使用していましたが、安全性の問題や劣化の進行が早い等から、室内は木製、外部は鋼製の半鋼製車体が採用されるようになり、クモハ40形電車はその最初期の例となります。また、鉄道省の電動車として初めて20m級の車体を採用した電車です。

鉄道博物館 クモハ40形電車(クモハ40074)  撮影:2023.05.28
0系新幹線電車

 0系新幹線電車は、東海道新幹線の会議用に合わせて昭和39年(1964)に製造された車両です。世界で初めて時速200km/h以上の営業運転を達成し、高度成長期の日本の象徴的存在として、多くの日本人に記憶されています。東海道新幹線開業前後で一般の人々の生活や行動、思考を一変させた、世界史上でも稀な社会的イノベーションの成功事例としても重要な存在です。

鉄道博物館 0系新幹線電車(21-2)  撮影:2023.05.28
400系新幹線電車

 400系新幹線電車は、山形新幹線の開業に合わせて製造された車両です。平成2年(1990)に試作車が製造、平成4年(1992)に運用が開始されました。初の新在直通車両(いわゆる「ミニ新幹線」)であり、東北新幹線区間では時速240km/h、在来線との共用区間では時速130km/hで走行可能な車両となっています。新幹線区間と在来線区間で異なる架線電圧(交流25,000Vと交流20,000V)に対応している他、JR東日本の新幹線車両では初めてボルスタレス台車を採用するなど、新在直通に対応しつつ当時の新幹線の技術を盛り込んだ車両です。

鉄道博物館 400系新幹線電車(411-3)  撮影:2023.05.28
E1系新幹線電車

 E1系新幹線電車は、当時首都圏で増加していた新幹線通勤・通学輸送の混雑緩和や繁忙期の着席サービスの向上を目的に、平成6~7年(1994~1995)に製造された車両です。鉄道博物館に展示されている車両は平成7年製造の車両となります。新幹線で初めて全車2階建ての構造にした車両で、本来ならば床下に配置される機器を、車端の平屋部分の機器室に配置するなどの工夫が見られる車両です。

鉄道博物館 E1系新幹線電車(E153-104)  撮影:2023.05.28

 紹介した車両の他にも、まだまだ多くの鉄道車両が展示されています。幅広い年代の鉄道車両が展示されているので、何らかの展示品で懐かしいと感じることができるのが、良いですね。息子も大興奮してたので、また機会があったら行ってみたいです。