まだ知らぬ、日本を訪ねて

趣味の日本庭園や近代建築の紹介ブログです。

須藤公園【訪問編】

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「須藤公園」 撮影:2018.11.23

庭園情報

閑静な住宅街にある「庭園」

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「須藤公園」 撮影:2018.11.23

 東京メトロ千駄木駅から程近い場所に、須藤公園はあります。公園とは言っても、内実は日本庭園そのもの。庭園の起源は加賀大聖寺領前田家の下屋敷であり、その後品川子爵邸、実業家の須藤家の所有となったのち、東京市へ寄付されました。小規模ながらもかつての大名庭園の雰囲気も残しつつ、地元の子供の遊び場ともなっている「庭園」です。

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「須藤公園」 撮影:2018.11.23

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「須藤公園」 撮影:2018.11.23

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「須藤公園」 撮影:2018.11.23

 公園の中心的存在と言える池。規模もそれほど大きくないものの、中ノ島の弁財天の祠もあるため、なかなか絵になる池です。

中ノ島・弁財天

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「須藤公園 中ノ島」 撮影:2018.11.23

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「須藤公園 中ノ島」 撮影:2018.11.23

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「須藤公園 中ノ島」 撮影:2018.11.23

 中ノ島には弁財天が祀られています。弁財天は仏教の守護神であり、日本においては海上の神・市杵嶋姫命と同一視されています。神仏習合の典型例であり、須藤公園においても鳥居が建立されています。なお、鳥居、灯籠、手水鉢は刻銘から明治33年(1900)、須藤家邸時代に建立されたものです。

州浜

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「須藤公園 州浜」 撮影:2018.11.23

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「須藤公園 州浜」 撮影:2018.11.23

 中ノ島の弁財天の横には洲浜が設けられています。大きさが揃った玉石が敷き詰められており、当時はここでも庭園の眺望を楽しんだと思われます。

須藤の滝

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「須藤公園 須藤の滝」 撮影:2018.11.23

 公園の北西端には立派な滝があります。高さ約10mから水が落ちる、なかなか見ごたえのある滝です。平成15年(2003)に「須藤の滝」と命名されました。文京区のホームページによると、滝は日中の午前10時から午後4時まで流れるとのことです。

歌碑

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「須藤公園 歌碑」 撮影:2018.11.23

 公園東側の園路の中に、不思議な形をした歌碑があります。碑文を確認すると当時の皇太子殿下(現在の上皇陛下)御誕生を記念したもの。

かしこくも 親王あれませり 九重の 御そのゝ松に 日の昇る頃

従二位爲守

 碑文には公孫樹(イチョウ)も記念に植樹したと記載されていますが、周囲を見る限りは特に確認できません。近くに切り株があるので、もしかしたら…。

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「須藤公園 切株」 撮影:2018.11.23

かっぱ

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「須藤公園 かっぱに注意」 撮影:2018.11.23

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「須藤公園」 撮影:2018.11.23

 いままで見てきたように須藤公園は立派な日本庭園ですが、一方でかっぱの注意表記も掲げられています。よく見ると、池の中にかっぱが居るような…。

 地元の子供たちの遊び場となっている須藤公園。現在の風情を残しながら、地域に愛された公園でいて欲しいものです。

参考文献