庭園情報
閑静な住宅街にある「庭園」
東京メトロ・千駄木駅から程近い場所に、須藤公園はあります。公園とは言っても、内実は日本庭園そのもの。庭園の起源は加賀大聖寺領前田家の下屋敷であり、その後品川子爵邸、実業家の須藤家の所有となったのち、東京市へ寄付されました。小規模ながらもかつての大名庭園の雰囲気も残しつつ、地元の子供の遊び場ともなっている「庭園」です。
池
公園の中心的存在と言える池。規模もそれほど大きくないものの、中ノ島の弁財天の祠もあるため、なかなか絵になる池です。
中ノ島・弁財天
中ノ島には弁財天が祀られています。弁財天は仏教の守護神であり、日本においては海上の神・市杵嶋姫命と同一視されています。神仏習合の典型例であり、須藤公園においても鳥居が建立されています。なお、鳥居、灯籠、手水鉢は刻銘から明治33年(1900)、須藤家邸時代に建立されたものです。
州浜
中ノ島の弁財天の横には洲浜が設けられています。大きさが揃った玉石が敷き詰められており、当時はここでも庭園の眺望を楽しんだと思われます。
須藤の滝
公園の北西端には立派な滝があります。高さ約10mから水が落ちる、なかなか見ごたえのある滝です。平成15年(2003)に「須藤の滝」と命名されました。文京区のホームページによると、滝は日中の午前10時から午後4時まで流れるとのことです。
歌碑
公園東側の園路の中に、不思議な形をした歌碑があります。碑文を確認すると当時の皇太子殿下(現在の上皇陛下)御誕生を記念したもの。
かしこくも 親王あれませり 九重の 御そのゝ松に 日の昇る頃
従二位爲守
碑文には公孫樹(イチョウ)も記念に植樹したと記載されていますが、周囲を見る限りは特に確認できません。近くに切り株があるので、もしかしたら…。
かっぱ
いままで見てきたように須藤公園は立派な日本庭園ですが、一方でかっぱの注意表記も掲げられています。よく見ると、池の中にかっぱが居るような…。
地元の子供たちの遊び場となっている須藤公園。現在の風情を残しながら、地域に愛された公園でいて欲しいものです。
参考文献
- 文京区『文京区 須藤公園』https://www.city.bunkyo.lg.jp/bosai/midori/kuritukouen/kouen/sudou.html(2020.08.23 閲覧)