庭園情報
- 名称:羊山公園 牧水の滝
秩父市・羊山公園の麓に造られた庭園
埼玉県秩父市、西武秩父駅から羊山公園に向かう道中に、歌人・若山牧水氏を偲んだ庭園が造られています。日本庭園、とは言えないかもしれませんが、小規模ながらも雰囲気の良い、自然主義の庭園です。
園内の様子
牧水の滝は、羊山公園の麓にある非常に小規模な庭園です。見晴らしの丘や芝桜の丘などは、さらに坂を上った先にあるため、ちょっとした息抜きをしながら鑑賞すると良い感じです。
牧水の滝
牧水の滝は、羊山公園の麓にある人工の滝です。この庭園の名称の由来にもなっています。訪問時は勢いよく水が流れ落ちていました。
この牧水の滝は流れを経由して、下流部にあるもう一つの滝を介して池に注ぎこむ構造となっています。
池
牧水の滝が注ぎ込む池は、旧秩父市の形を模して作庭されたようです。池の周りの護岸は立派な石が使われています。さすが、現在でも採石が続く秩父の土地柄に恥じない石です。
水車小屋
牧水の滝に注ぎ込む池には水車小屋が設けられています。秩父市の資料によると、この水車小屋は平成5年度(1993~1994)に建築されたようです*1。日本庭園に水車小屋という組み合わせは、実はあまり見かけたことがなく、なんだか新鮮な印象を受けました。小屋と池を繋いでいる配管が見えてしまっているのは、風情を少し損なっていて残念ですが、かつての秩父に広がっていただろう、のどかな雰囲気を感じられます。
歌碑
歌碑は、若山牧水氏が秩父を訪れて詠んだ作品「秩父町 出はづれ来れば 機をりの うた聲つゞく 古りし家並に」を記念し、昭和30年(1955)に建立されました。以後3回にわたり移設され、現在は牧水氏が眺めたであろう秩父の町並みを望める羊山公園の麓に移設されています。
眺望
歌碑が設置されている場所からは、秩父の街並みを望むことができます。なかなか良い景色です。
牧水の滝は、そこまで日本庭園という感じではないものの、雰囲気の良い、ちょっとした癒しを感じることができる自然主義の庭園でした。
*1:秩父市(2022)『秩父市個別施設計画』p23(2023.06.12 参照)https://www.city.chichibu.lg.jp/secure/14338/chichibushikobetushisetukeikaku.pdf