令和4年11月初旬、息子と一緒に小平ふるさと村を散策しました。西武新宿線の小平駅と花小金井駅の中間あたりにある古い建築の保存施設で、江戸時代から明治時代の農村の雰囲気を味わうことができます。
小平ふるさと村
小平ふるさと村は、現在の小平市にあった江戸時代から明治時代の住居などを移築して保存している施設です。施設内には名主を務めた小川家の住宅玄関、農家の住宅や明治時代の郵便局が保存されています。
旧小川家住宅玄関棟
旧小川家住宅玄関棟は、文化二年(1805)に現在の小平市小川町に建てられた建築で、江戸時代に代々名主を務めていた小川家の住宅の玄関を移築したものとなります。一般的な名主の住宅の玄関とは異なり、小川家の格式の高さをうかがわせる建築です。
開拓当初の復元住居
開拓当初の復元住居は、名主の小川家に残された古文書に基づき復元された開拓当初の住居を復元したものです。この復元された住居は規模が最も小さな二人宅のものとのことですが、それなりに広い印象を持ちます。
旧神山家住宅主屋
旧神山家住宅主屋は、現在の小平市回田町にあった江戸時代の住居です。元々は小金井にあった住居を譲り受けて曳家したと伝えられており、小平市の解体調査でもその痕跡が確認されました。建築年代について詳細は不明ながら、曳家前の間取りから江戸時代中期、曳家されたのは江戸時代中期の後半から江戸時代後期と推定されています。
旧鈴木家住宅穀櫃
旧鈴木家住宅穀櫃は、元々現在の小平市花小金井の秋山家に建てられたもので、大正10年(1921)頃に現在の小平市大沼町の鈴木家へ移築した穀櫃です。建築年代について詳細は不明ながら、江戸時代末期から明治時代初期と推定されています。
旧小平小川郵便局舎
旧小平小川郵便局舎は、明治41年(1908)に現在の小平市小川町に建てられれました。現存する郵便局舎の中でも古い部類に入る建築で、和風の建築意匠に赤い屋根、鬼板に描かれた郵便マークといった、どこか親しみやすい雰囲気の郵便局です。
小平ふるさと村はこの地域の開拓の歴史を感じれる一方、村内の広場には輪投げやけん玉、竹馬など昔のおもちゃを無料で貸し出してくれおり、多くの子供たちが遊びまわっていました。こういう場所は、地域のアイデンティティを維持するうえで大切だなと感じた次第です。