令和4年7月末、はたらく車に興味を持った息子を連れて東京・四谷にある消防博物館を訪ねました。
消防博物館
消防博物館は東京消防庁が運営する広報・教育施設です。歴代の消防車やヘリコプターが展示され、また江戸時代から現代に至る消防の進化の歴史を解説しています。
アーレンス-フォックス消防ポンプ自動車
消防博物館に展示されているレトロな消防車の一つ。関東大震災の翌年に輸入されたアメリカ製の消防ポンプ自動車です。昭和21年(1946)まで運用されていました。
スタッツ消防ポンプ自動車
先述のアーレンス―フォックス消防ポンプ自動車と同時期にアメリカ合衆国から輸入された消防ポンプ自動車です。昭和28年(1953)まで活躍しました。なかなか優雅な消防車です。(写真は2016年訪問時の写真を使用しています)
マキシム消防ポンプ自動車
昭和4年(1929)にアメリカから輸入されたのがマキシム消防ポンプ自動車。小回りが利いたらしく、狭い脇道でも使用可能であったため重宝がられたそうです。こちらも昭和28年(1953)まで活躍しました。
いすゞ・メッツ梯子自動車
元は大正14年(1925)に輸入された梯子自動車。昭和34年(1959)にシャシの老朽化により、新車のバスシャシに載せ替えています。梯子自体はかなりの長寿で、昭和46年(1971)まで活躍しました。(写真は2016年訪問時の写真を使用しています)
ベンツ・メッツ梯子自動車
- 名称 :ベンツ・メッツ梯子自動車
- 配置年:昭和30年(1955)
- 製造社
- シャシ:メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz・ドイツ)
- はしご:カールメッツ(Carl-Metz・ドイツ)
昭和30年(1955)に丸の内消防署に配置された梯子消防車。昭和50年(1975)に池袋消防署で引退しています。機械式の梯子消防車としては最後のものとなるそうです。
イベコ・マギルス梯子自動車
- 名称 :イベコ・マギルス梯子自動車
- 配置 :昭和58年(1983)
- 製造社
- シャシ:イベコ(Iveco・イタリア)
- はしご:マギルス(Magirus・ドイツ)
昭和58年(1983)志村消防署に配置されていたイベコ・マギルス梯子自動車。平成12年(2000)に引退。このあたりだと、車体に見覚えがあるような気がしますね。
馬牽き蒸気ポンプ
- 名称 :馬牽き蒸気ポンプ
- 配置 :明治32年(1899)
明治32年(1899)に製造された国産の馬牽き蒸気ポンプです。日本に消防用の蒸気ポンプが輸入されたのは明治3年(1870)であり、29年で国産化に成功したことになります。
二輪消防車(赤バイ)
- 名称 :二輪消防車(赤バイ)
- 配置 :昭和44年(1969)
- 製造社:本田技研工業
二輪消防車(赤バイ)は渋滞による交通事情の悪化を背景として昭和44年(1969)、暫定的に運用を開始しました。その後、昭和51年(1976)まで活躍。長く運用休止状態でしたが、平成7年(1995)の阪神・淡路大震災において機動性の良さが注目され、平成9年(1997)に運用を再開しました。
東京消防庁航空隊 ちどり(初代) シュド・アビアシオン アルエットⅢ型
- 機体名:ちどり(初代)
- 所属 :東京消防庁航空隊
- 配置年:昭和42年(1967)
- 製造社:シュド・アビアシオン*1(Sud Aviation・フランス)
- 型式 :アルエットⅢ型*2
東京消防庁が航空隊を設置・運用するにあたり昭和42年(1967)に初めて導入されたヘリコプターです。意外と小さいんですね。なお、外国では軍用機としても活躍した型式でもあります。
ほかにも江戸時代の破壊消防の様子、明治維新以後の消防の躍進、関東大震災の教訓などが学べます。特に歴代の消防車が展示されているのはなかなか良かったです。