長浜旅行の最終日は、長浜の迎賓施設の役割を担った慶雲館と米原市の青岸寺を訪ねました。いずれも素晴らしい庭園が見所となります。
慶雲館
慶雲館本館
慶雲館は明治20年(1887)に、明治天皇・皇后両陛下の京都行幸啓の行在所として実業家の浅見又蔵氏が私財を投じて建設されました。かなりの突貫工事であったようで、行幸啓当日に完成するという逸話が伝わっています。当建築は明治天皇聖蹟として、国の史蹟に指定されていましたが、昭和23年に指定解除となっています。
慶雲館庭園
慶雲館の庭園は行幸啓25周年を記念して作庭されました。現在では国の名勝に指定されています。作庭は七代目小川治兵衛とその息子である八代目小川治兵衛(白楊)とされています。植治の作品と言われるだけあって、その壮大な構成が素晴らしい庭となっています。
青岸寺
青岸寺は南北朝時代に活躍した婆娑羅大名の代表格、佐々木京極道誉が延文年間(1356~1361)に開基した米泉寺が起源となります。戦国時代には戦乱に巻き込まれ焼失、荒廃していきましたが江戸時代に入ってから再興されました。
青岸寺庭園
- 名称:青岸寺庭園
- 完成:延宝六年(1678)
- 保護:国指定名勝「青岸寺庭園」
青岸寺庭園は延宝六年(1678)に作庭されたと伝わっています。枯山水の庭園ですが、石の代わりに苔を用いていることが特徴。雨が降ると、後日窪みに水が滲み出して池泉庭園へと変化する珍しい庭園です。訪問した当日も少し水が溜まってました。庭園として丁度良い大きさ、巧みな石組の構成、苔と雨水の清浄な空間。全てにおいて、最高級の庭園と言えます。
GW旅行最後の日は長浜と米原を代表する二つの庭園を見学しました。いずれの庭園も素晴らしいの一言。慶雲館庭園は植治らしい壮大さを感じさせ、青岸寺庭園は全てにおいて精緻に計算されたかのような美しさです。こうして今年のGW旅行も無事終えることができました。