12月初旬、明治村へ散策しに行きました。2か月連続の犬山ですが、今回は明治村のみに焦点を絞っていきます。それでも時間が全く足りません。いずれまた、世の中が落ち着いた後に行きたいと思いました。
三重県尋常師範学校・蔵持小学校
かつて三重県名張市にあった蔵持小学校の旧校舎。一部が移築され保存されています。この校舎はNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」にもロケで使用されました。
旧日本聖公会京都聖約翰教会堂
かつて京都にあった教会。外見は赤レンガ造りで華やかであり、内部は明るく開放的な構造になっています。
学習院長 官舎
現在の学習院大学は、かつて宮内省所管の官立大学でした。この建築は学習院長の公邸で、接客・実務および住まいを兼ね備えた官舎です。竣工当時の院長は乃木希典陸軍大将だったのですが、乃木院長自身は学生と寝食を共にするため入居しませんでした。そのため、竣工当初は皇族学生の寮に使用されたようです。
西郷從道邸
陸軍卿および海軍大臣等を歴任した西郷從道候は在日外交官の来客も多かったようで、その接遇施設としてこの洋館を建築しました。接遇施設を主目的としていることもあり、品のある素晴らしい建築となっています。
森鴎外・夏目漱石住宅
個人的に衝撃だったのが、森鴎外・夏目漱石の旧宅が現存していたことです。森鴎外、そして夏目漱石の文豪への道を歩む重要な時期を過ごした文学上の記念碑的な史蹟が移築されながらも残っていることは幸運なことと言えます。
鉄道寮新橋工場・機械館
- 名称:鉄道寮新橋工場・機械館
- 用途:鉄道施設
- 竣工:明治5年(1872)
- 備考:国登録有形文化財
日本における鉄道開業の年、明治5年(1872)に新橋停車場の機関車修復所として建てられた施設です。日本の鉄道車両検修の原点ともいえる場所。仕事柄、感慨深いものがあります。
聖ザビエル天主堂
旧日本聖公会京都聖約翰教会堂の内部が「陽」であれば、こちらは「陰」のような印象を受ける教会です。内部が暗くなっている分、外からの光が差し込むステンドガラスが鮮やかな色彩を放ち、ものの見事な美しい内部空間を創り出しています。
帝国ホテル中央玄関
歴史の教科書にも出てくる「帝国ホテル中央玄関」。子供ながら、ガラス細工のような不思議な建物にいつか行ってみたいと思ってましたが、ようやく実現できました。天井の高さを変えることで不思議な内部空間を実現している帝国ホテル。かつて多くの賓客・要人が利用したであろう空間で頂く紅茶は贅沢の一言でした。
内閣文庫
国立公文書館の前身ともいえる内閣文庫。徳川将軍家から引き継いだ古文書や国内各地や海外から収集した書籍を蔵書としていました。平成2年(1990)寄贈と、比較的新しく移築された建物です。
隅田川新大橋
かつて隅田川に架かっていた明治五大鉄橋の一つである新大橋。関東大震災、第二次世界大戦でも焼け落ちなかった橋であり、多くの人命が救われています。特に関東大震災ではほかの橋が悉く焼け落ちる中、両国橋とともに避難路として重大な役割を担いました。
明治村を「テーマパーク」とする見方もありますが、かつての歴史を思いながら歩くと、多くの学びを受け取ることができます。明治村は歩きながら歴史に触れることができる「博物館」であると、私は思います。